D2Cって？

2023年12月16日

オンライン上のコミュニケーションが拡大する中、D2C（Direct-to-Consumer）ビジネスモデルが注目を集めています。本記事ではD2Cの概要、仕組み、市場規模、ECやBtoCとの違い、メリット・デメリットについて解説します。代表的なマーケティング手法やD2Cサービス、成功事例も紹介します。 SNSの普及やECサイトの成長と共に、消費者へ直接商品提供するD2Cビジネスが成功を収めています。

D2C（Direct to Consumer）は、企業や個人などの生産者が商品やサービスの企画、製造、販売を一気通貫で行うビジネスモデルです。特徴的な点は、従来の販売モデルとは異なり、流通や小売店、代理店などを介さず、商品を直接消費者に提供することです。時折、DtoCとして表記されます。

D2Cビジネスは、B2C（BtoC：Business to Consumer）やEC（Electronic Commerce）に近い概念として知られています。具体的には、企業が商品やサービスの企画、製造、販売を自社で行い、それらを直接消費者に提供するビジネスモデルを指します。これは、従来の販売手法に比べて直接的で効率的なアプローチとなっています。

BtoCは一般的なビジネスモデルで、企業が商品やサービスを直接消費者に提供する概念全般を指します。これに対して、ECはインターネット上での商品やサービスの取引全般を指します。

簡単に言えば、「BtoC」のビジネスモデルの中に「D2C」が含まれており、また、「D2C」の販売手法の一つとして「EC」が使用されると理解できます。これらの違いについては後ほど詳細に説明します。

D2Cビジネスの仕組みとは？

D2Cビジネスの仕組みは、消費者に直接的に販売する特徴を持ち、企画・製造・販売までのプロセスを自社で完結します。このビジネスモデルは消費者との距離が近く、商品・サービスの企画・製造段階で消費者の意見や要望を取り入れ、他社にはない独自性のある提案を実現します。

D2Cビジネスは販売活動においても制約が少なく、プラットフォームや代理店の条件に縛られずに自由にマーケティングが行えます。この直接販売の仕組みから、マーケティングでは消費者との信頼関係が重要視されます。代表的なD2Cブランドでは、ユーザーコミュニティを運営し、早い段階からユーザーを巻き込む動きが見られます。後ほど代表的なマーケティング手法についても紹介します。

D2Cの市場規模を見てみる

2022年時点での具体的な市場規模に関する最新の情報は提供できませんが、一般的な傾向について言及できます。ここ数年、D2C市場は着実に成長しており、国内外で注目を集めています。特に、デジタルテクノロジーの進化やオンラインでの消費行動の変化がD2Cビジネスに寄与しています。

出典：株式会社売れるネット広告社「『売れるネット広告社』が「デジタルD2C」の市場動向調査」を実施

2020年に実施された売れるネット広告社の調査によれば、デジタルD2C市場の市場規模は2020年に2兆220億円となり、2015年比で1.6倍の右肩上がりの成長を遂げました。今後の予測では、2025年にはD2C市場が3兆円を超えると予測されています。

この市場の盛り上がりには、SNSの普及とオンラインコミュニケーションの増加が影響しており、企業のマーケティング活動においても重要な役割を果たしています。また、ShopifyなどのECプラットフォームの普及も挙げられ、企業が自社ブランドを表現しやすくなり、コスト効率の良いネットショップの構築が可能になりました。

特にコロナ禍では、店舗への足を運ぶ機会が減り、オンラインでの購買が一般化。デジタル上でブランドの理念やストーリーに共感する消費者が増加しており、これがBtoCのEC市場規模の変化にも表れています。

出典：経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査」

経済産業省による調査によれば、BtoCのEC市場規模は物販系分野において右肩上がりが続いています。特に「旅行サービス」が大きな割合を占めるサービス分野では、コロナ禍による市場縮小が見られましたが、2022年には前年比32.43%の成長を達成しました。デジタル分野では、動画や音楽の有料配信が着実に伸び続けていますが、オンラインゲームの利用率低下が市場縮小に寄与しているとされています。

一部の分野は新型コロナウイルス感染の収束に伴い利用が減少したものの、一方でコロナ禍を契機にして定着したサービスも存在し、今後も継続して成長する見込みです。