インターネットの発達が進んでいる近年では、Web広告を利用し、企業の商品やサービスのPRを行うことが身近になりました。そんなWeb広告の中でも特に動画広告で商品PRを行う企業が増えています。
もし、自社商品のPR動画の制作を行うこととなった場合、どのような意識を持つことが重要だと思いますか?
PR動画は、『商品の説明』はもちろん、『商品に関するわかりやすい解説』が必要になる場合があります。
動画のクオリティや視聴覚に訴える音楽、動画のエフェクトはもちろんですが、より一層、分かりやすい情報を伝えるために動画制作で使用されるのが『テロップ』と呼ばれるものです。
テレビのバラエティ番組やニュース番組、YouTube等でよく見かけると思いますが、実はそのテロップが動画の情報をより伝わりやすくしているのです!
しかし、テロップは突き詰めていけばいくほど奥が深いもの…。動画制作については初心者という方には、テロップを使用することに少々億劫になってしまうかもしれません。
今回は、動画編集初心者の方でもわかりやすく、動画制作時のテロップの基本的な活用方法や効果、テロップを入れるコツについて”簡潔”にお伝えしていきます!
テロップとは?
『テロップ』は、”テレビ番組”と、”YouTubeやTikTokなどのネット動画”とでは少し意味が異なる場合がありますが、一般的には”テレビやコンピュータスクリーンの画面上に映し出される文字情報”を意味します。
もともと『Television Opaque Projector(テレビジョン・オペーク・プロジェクター)』と呼ばれる、映像に文字を付けるための装置のことを指していました。
略して『テロップ(telop)』と称されたその装置は時代の変化と共に使われなくなり、『テロップ』という名前と『映像内の文字情報』という意味だけが残り今日に至ります。
テロップと字幕の違いは?
テロップと字幕の区別や認識は、プロであっても微細な違いがあり、テロップと字幕を同じ意味で考えられることもありますが、一般的には以下の認識が多く見られます。
- ■テロップ
映像の内容をわかりやすくするために一部の文字をデザインで強調したもの
(例:補足や状況の説明など新たに意味を加えたものや、画面内の四隅にある見出しやロゴ) - ■字幕
映像内の話し手のセリフをすべて文字に起こし、視聴覚的を補佐するもの
(例:洋画のセリフを翻訳し映し出している「日本語字幕」や、耳の不自由な人が視覚的に内容をとらえるための字幕)
他にも「字幕スーパー」「スーパーインポーズ」「タイトル」と呼ばれるものがありますが、基本的には「テロップ」「字幕」の2つの単語を抑えておくと、類義語の意味もわかりやすくなってきます。
テロップが発揮する効果
では、テロップにはどのような効果があるのでしょうか。
全部で4つ、詳しく説明していきます!
①内容を強調し、心に残す
映像に補足のテロップを入れることにより、視聴者に強い印象を残すことができます。
例えば、以下の文章を読み上げた”音声だけの紹介映像”があるとしましょう。
「私たちの会社では、テレワークやフレックスタイム制を勤務年数問わず、全てのスタッフに導入しています。
スタッフ一人一人に合わせたワークスタイルを推奨しているため、育児休暇や介護休暇をされたスタッフの復職率が97%にまで上がっています。」
とても魅力的な説明ですが、ビジネス用語に数字など、様々な情報が混在しているため、音声だけの説明では『本当に伝えたいこと』や『知ってほしい情報』が聞き流されてしまうリスクがあります。
こちらの音声だけの紹介映像に、字幕を付けるだけでも視聴者の認識はアップしますが、さらに強調したいキーワードをテロップで表示することで、自社の伝えたいことや知ってほしい情報を、視覚的に印象強く残すことができます。
この場合、強調する箇所は企業によりさまざまですが、時代に合わせた働き方を推進していることを強調して伝えたい場合は、『テレワーク』や『フレックスタイム制』をテロップとして表示してみましょう。
上記のように、伝えたいことを映像の中にテロップとして視覚化することで「内容を強調し、心に残す」効果が発揮されます。
②音が無い状態でも見やすく
テロップがあることにより、周囲が静かな場所や音量を上げることができない環境でも動画の内容を十分に楽しんでもらえる可能性につながります。
また、テロップと字幕を掛け合わせることにより、動画のカテゴリによっては耳の不自由な方にも動画を楽しんでもらうための補助的な役割をあたえることもできます。
③場面・状況のフォロー
映像と音声の両方が流れたとしても、どんな状況か認識しづらい場合があります。例えば、登場人物の名前や立場、場面が変わったときの場所の名前。
さらに、今は何をしているのか、どのような説明をしているのかなどの状況説明をテロップで提示してあげることで、視聴者が視覚的に状況を認識することができ、動画の内容をより深く汲み取るための補佐を果たします。
④動画の雰囲気を作る補佐になる
少し応用が必要な部分になりますが、テロップ自体の文字の色や字体をデザインすることによって、動画の雰囲気を作ることができます。
カラフルな色のテロップは明るい印象に、またシンプルな字体にすれば、洗練されたイメージや、物事を正確に伝える姿勢などを感じ取ってもらうことができます。
ここまでご紹介したように、テロップひとつにも、多彩な役割が込められてるのは、まさに驚きですね!
一方で、前述した字幕についても魅力的なメリットが挙げられます。その一つが『字幕がSEO対策になる』というものです。
YouTubeに投稿される動画においては、タイトルや概要欄内でのSEO対策をすることが多いですが、YouTubeの「字幕機能」を使うことにより、Googleがそれをテキスト情報として読み取り、YouTube検索内のSEO対策(検索順位)に効果をもたらします。
字幕機能が追加されている動画の方がユーザー検索に引っかかりやすい傾向にあり、上位に表示されやすくなるようです。
動画制作でテロップを入れる時の簡単なコツ
文字を入れすぎない
内容を補完する役割であるテロップは、表示する文字が長くなってしまうと、
いつのまにか『字幕』に成り代わってしまい視聴者を退屈させてしまう恐れがあります。
これは、初めて編集でテロップを入れる際によく間違えやすいポイントです。
テロップを見やすくしている例として、食レポ動画が挙げられます。
「これは美味しいです。なんというか、辛みの中にコクがありますね。」という話し言葉を、
「美味しい」、「コクがある」という風に、強調したい言葉(ワード)を切り分けてテロップ表示をすることがあります。
話し言葉を省略し、キーワードを選定し、表示させることで何を伝えたいかがハッキリします。また、テロップは「1行16文字程度」が一度に表示する目安とされています。
キーワードを選定するのは、少し難しいかもしれません。そんなときは、まず「動画を通して伝えたいこと」に着目してみましょう。伝えたいことは案外、スマートな言葉で言い表せるかもしれませんよ。
最初は『はっきり』としたデザインで
動画の方向性が決まっていない場合、「テロップ」をどのようにデザインしたらよいかわからない…」と悩んでしまうかもしれません。
そんな時は「シャドウ・縁取り・テロップベース」の3つを意識すると良いでしょう。
- ■シャドウ・・・テロップに影が付いたもの。
- ■縁取り・・・テロップに輪郭線(ふちどり)が施されたもの。
- ■テロップベース・・・テロップを対象に背景色がついたもの。
それぞれ背景の映像とテロップの文字が同化しにくくなる効果があり、とくに「縁取り」「テロップベース」は簡単にテロップをハッキリとした印象に変えてくれます。
配色も重要になってきますが、動画となると背景の色が一定でないため、かなり悩んでしまうかと思います。
まずは、明暗のハッキリとした「白」「黒」「赤」「青」などを組み合わせてみると良いでしょう。最初は違和感を捨てきれない場合もありますが、動画をみていくうちに、どのような色がいいか思いつくこともあります!
重要な部分にはかぶせない
テロップの配置場所もとても重要です。映像の中で話している役者の顔が見えなくなってしまうような位置や、紹介している物に大きく被ってしまうような位置にテロップを配置してしまうと、視聴者へストレスを与えかねません。使用する映像をよく観察し、テロップの配置やサイズを考慮しましょう。
また、テロップは『セーフティーゾーン(セーフマージ)』というものを利用すると、より簡単に配置場所を意識することが可能になります。※1
セーフティーゾーン(セーフマージ)を簡単に説明すると、動画の画面内において映像やテロップが視聴者に確実に見える場所のことを指します。
例えば、YouTubeの動画を視聴すると、画面下部に「シークバー」※2 というものが表示されます。シークバーが表示されると、テロップや映像までもがシークバーに被ってしまいますので、視聴者が重要な情報を見落としてしまう危険性が増します。
そのようなアクシデントを回避するために意識するのが『セーフティーゾーン(セーフマージ)』です。セーフティーゾーン(セーフマージ)を確認しながらテロップの配置を行うことで、視聴者が重要な情報を見落としてしまうというリスクを無くすことが可能になります。
セーフティーゾーン(セーフマージ)を表示しながら動画編集が出来るソフトはいくつか存在しますので、ぜひ検討してみてください!
※1 セーフティーゾーン(セーフマージ)は 動画を流す端末や時期により異なります。
※2 シークバーは 動画や音楽の再生箇所を示すバーのことです。視聴者が端末の操作を行うことで表示されることが多いです。
いかがでしたか?テロップを入れるコツの情報が盛りだくさんでしたね。
一度にすべてを意識するのは、少々難しいと思いますので、
まずはどれか一つのコツを意識して動画制作に臨むことをおススメします!
ここまでご閲覧いただき、ありがとうございました!
今回は、動画のテロップについてお伝えしました!
普段何気なく見ているテロップですが、実はかなり考えられて付けられています。
一から考えてみると難しいかもしれないので、まずは普段見ている動画やテレビを見返してみるのもいいかもしれませんね!
動画制作でお困りの際は、ぜひチェリービーへお問い合わせください!